こんにちは!まろんです!
今回の記事は、「シン・二ホン」の書評記事となっています。
本書はヤフー株式会社のCSOで、慶應義塾大学の教授でかつ、データサイエンティスト協会の理事でもある安宅和人さんが書かれています。
本書は、日本がどのように再び輝けるのか?について熱く語られています。
AI×データのスペシャリストである安宅さんの視点で、
- 日本の現状と問題点
- 必要になる人材と育成
- 国の目指すべき未来
について400Pに渡って書かれています。
本記事では、本書に書かれているこれからの社会の潮流について触れた後、今後必要になる人材についてフォーカスして紹介していきます。
AIが発達していく社会においてこれから求められる人材像を押さえておくことは、転職検討段階で絶対有益です!
要約:シン・二ホンで語られる日本の未来とは?
シン・二ホンの内容を一言で表すならば、
日本は超やばい状態でボロボロだけど、まだ希望の光はあるです。
たしかに、日本最近ぱっとしないですよね、、悲しいですが、、、
実際どのくらいやばいのか?を世界の潮流を見ながら本書に沿って紹介します。
データ×AI化により変化が指数関数的に進む世界
今、歴史的な革新期にあり、データ×AI化が進んでいます。
この変化は指数関数的に起こり、変化のスピードが驚くほど速いです。
昨今AIが騒がれていますが、今後すべての産業がデータ×AI化していくことが予想されます。
データ×AIの利活用のループは以下の図のように表されます。
この図が意味するのは、データをより多く集めて、それを活用し、サービス価値を上げることが富を得ることに直結するということです。
GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)やBATJ(Baidu,Alibaba,Tencent,Jingdang)のようなメガプラットフォーマーが富を築いた理由がここにあるわけです。
データ同士をつなげ、価値を生み出すものが勝つゲームチェンジが起こりました。
日本一の企業であるトヨタは自動車業界ではトップに君臨しているわけですが、企業の価値で見ると50位前後となっています。
この新しいゲームに参加できない国はジリ貧になっていくのです。
一人負けを15年間続けた日本の現状
日本は他国が経済成長している中GDP(国内総生産)を日本だけ伸ばせておらず、一人当たりのGDPでは遅れをとっているという状況です。
特に、生産性には大きな課題があり、全産業で他国に比べて生産性が低いのです。
これはICTセクターが伸び悩んでいるとかではなく、全産業として生産性が伸ばせていないという事実が本書で書かれています。
たしかに、僕の勤め先も仕事のための仕事、働かないおじさんなど生産性の低い現実があります。
さらに、日本はデータ×AIで戦うために必要な以下の3つの要素も弱いといった泣き面に蜂状態なわけです。
日本の勝ち筋~いまだ強い出口産業と英才教育された”妄想力”~
そんな日本に勝ち筋はあります!と解説してくれているのが本書になります。
産業革命期でも日本は最初は出遅れていたことを振り返ります。
日本は産業革命のフェーズ1の際、江戸時代で鎖国していました。つまり、何もしていなかった。
そこから、フェーズ2,3にてフェーズ1の技術を応用することで勝者となり、世界でも有数の経済大国となったのでした。
データ×AI化の新しいゲームでも今ちょうどフェーズ1が終わりそうな段階に差し掛かっています。
フェーズ2からは、フェーズ1の技術を各産業や機能に対して応用するといった”日本の得意分野”となると本書で書かれています。
しかも、日本はこの出口産業をほぼ世界レベルで保有している数少ない国なのです。
さらに、国と経済界が目指すべき社会の姿として掲げているSociety5.0の内容は「我々の多様な想像力、妄想力をテコにデジタル革命の力で世の中をことごとく刷新し、新しい価値を生み出す社会」となっています。
つまり、データ革新×妄想力が価値創造の源になる社会が到来するということです。
妄想力については、日本の文化である漫画やアニメにて幼少期から英才教育を受けており、日本に分があります。
よって、新しいゲームで日本が勝つためには、データ革新の波に乗れるよう、“AI-ready化”が必要だと本書は言っています。
AI-ready化は、簡単にいうとやりたいことデータ×AIを活用し、実現するように個人個人が志せるような状態
つまり、日本全体でデータ×AIのリテラシーを高め、普通に使える・理解している状態にすることが必要だということです。
日本の復活の可能性を感じられます!この本は本当に熱い想いを感じます!
日本をシン・二ホンにするために必要な人材
本書では今の日本をシン・二ホンに変えるために必要な人材の要件は2つあるとされており、
- 新しい価値を生み出せる人材
- AI-ready化された多面的な人材
とかかれています。
順を追ってみていきましょう!
1.新たな価値を生み出す”異人”
前者の「新しい価値を生み出せる人材」については、
ニッチな領域・アイディアをもち行動する人材
夢を描き、複数の領域をつなげる人材
上記のような”異人”が大切であるとかかれています。
言い換えるなら、独自の軸をもってほかの人が気づいていないような自分の道を進める人が重要になります。
安宅さん、そんな人材になれないよ。。。
僕と同じように思われた方も多いでしょう笑。たしかに、本書でもこの異人は数が少ないとかかれています。
そこで僕は、異人が活躍できるように彼らの活動を邪魔せず様々な価値観を受容できるようにする必要があると思っています。
また異人は、普通の人とは異なる価値観・視点をもっているからこそ新しい価値を生み出しやすいのであって、すべての人が異人にならなきゃいけないということではなさそうです。
2.AI-ready化された多面的な人材
こちらの人材の方が、普通の人にも再現性がありそうです。
端的にこの人材の特徴をまとめると問題解決できる人材となります。
もっというと、
1.ありたい姿・目標を意志を持って決断
↓
2.1に基づいて問題を設定
↓
3.2で設定した問題に対して、整理・分析を実施し方針を立てる
↓
4.周囲の人を動かし、問題を解く
このループを回せる人が重要だと本書で書かれています。
普段仕事をしていく上でも上記を実施している気がします。
これからの社会では、この問題解決能力のベースにあるのがデータ×AIのリテラシーです。
安宅さんが理事を務めているデータサイエンティスト協会が定めるリテラシーは以下の3つのスキルに分類されます。
これらのスキルをバランスよく身に着けることによって、AI-ready化された人材となり、今後の社会で求められる問題解決能力の下地を持つことになります。
1のビジネス力は、所属する業界のドメイン知識を深く理解することで身に着けられるので、2,3を身に着けられるように行動してみることが大事!
まとめ:「シン・二ホン」書評
いかかでしたでしょうか?
本書では、本記事で紹介したトピック以外に社会問題や教育、未来の都市構想といった幅広い分野を横断して触れており、本気で日本の再建について考えている安宅さんの視点を知ることができます。
シン・ゴジラのワンシーン「この国はスクラップ&ビルドで
のし上がってきた、今度も立ち上がれる」
この言葉通り、日本が再び立ち上がれることを本書を読んで知ってほしいです!
最後に本記事の内容をまとめます。
転職目線だと、データサイエンスが活発に活用されている業界や企業に身を置くことも検討するといいかもしれないです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
おわり!
コメント